中古自動車の市場規模はわからない!?
マスコミA社報道
『日本自動車販売協会連合会(自販連)が17日発表した2011年の中古車販売台数は、前年比4.0%減の377万4015台と、11年連続で前年実績を下回った。』
マスコミB社報道
『日本自動車販売協会連合会(自販連)が17日発表した2011年の中古車販売台数(軽自動車を除く)は、前年比4・0%減の377万4015台と11年連続で減少した。』
マスコミC社報道
『日本自動車販売協会連合会(自販連)が17日発表した2011年年間の中古車登録台数(軽自動車を除く)は、前年比4・0%減の377万4015台で、統計を取り始めた1978年以来、過去最低となった。』
昨日(2012年1月17日)、日本自動車販売協会連合会から中古車に関する統計データの発表があったようです。
発表にともない、マスコミ各社がWeb上にニュースとして配信しています。
上記3つがその冒頭記事です。
自分の車を中古車買取店に買ってもらったので、こういうニュースにも敏感に反応してしまいます。
同じように書かれているようですが、正しく伝えているのはC社だけのように思います。
私は業界素人ですが、買取交渉前に調べたことと買取店との交渉によって、少しだけ中古車市場のことがわかるようになりました。
A社とB社は”販売”台数と報道していますが、これは明らかに間違いです。
C社が書かれているように”登録”台数が正解です。
日本自動車販売協会連合会のサイトにも『中古車登録台数は、新規登録台数と所有権の移転登録台数及び使用者名の変更登録台数の3業務合算のナンバーベース』と明確に記載されています。
また、A社の発表に注記がありませんが、軽自動車は含まれていません。
軽の乗用車だけでも190万台くらいあるようなので、数字は大きく変わってきます。
377万4015台の内、乗用車は327万6133台です。
残り約50万台はトラックやバスなどの中古車です。
乗用車の約328万台の内、販売されたものがどれくらいなのかよく見えてきません。
新規登録と所有権移転登録は販売がらみでしょうが、詳細は一般に公開されていません。(有償のようです)
使用者名の変更登録というのもよくわかりません。
ざっと見ると500万台を超える市場があるように見えるのですが、どこか違和感を覚えます。
昨年(2011年)12月14日に矢野経済研究所から『中古車流通市場に関する調査結果』が公表されました。
その概要をみると、2010年の中古車小売市場規模は215万台と推計されています。
矢野経済研究所は詳細に調査しているでしょうから、推計に大きなぶれはないでしょう。
しかし、ここまで大きなかい離があると、わからなくなってしまいます。
中古車だけでなく、いろんな統計がありますが、信ぴょう性に疑問符がついてしまいそうです。
事実の把握がずれていれば、何ごともうまくいきません。
そんな危惧が助長された報道でした。
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2012年1月18日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:中古車市場おもて話